麺棒 / のし棒 / 巻き棒
そば打ち道具 工房おがわの自慢の逸品、府中・家具職人の技の結晶、麺棒 (延し棒・まき棒)です。反りを軽減させる独自の加工方法により、長期にわたって良好な状態でお使いいただけます。6種の材からご希望のサイズをお選びください。大変ご好評の名入れサービスも承っております。 麺棒の商品一覧へ
こね鉢
蕎麦の生地をこねる際に便利な専用の鉢です。粉の扱いやすさを追求した形状と重さに仕上げており、効率よく安定して使えるのが特徴です。ウレタン塗装を施し、日々の使いやすさと保存性に優れたこね鉢ですので初心者の方にもおすすめです。そば打ちをさらに快適にする「こね鉢受け」と「こね鉢受け台」もご用意しました。
オリジナル のし板
練り上げた蕎麦生地をのばす際に使う専用の板です。当店オリジナル設計で、長く使っても反りが出ないと大変好評です。持ち運びが楽になるよう軽く仕上げておりますので女性にもおすすめです。抗菌力の強いヒノキチオールを含むヒバ材で作られたのし板は、衛生面でも安心してお使いいただけます。オリジナルのし板に取り付け可能なオプションアイテムの粉受けや麺棒置きも別途販売しています。
麺切り板(まな板)
延したそば生地を切る際に使うまな板です。麺切り板や切り板とも呼ばれています。湿気や腐蝕などに大変強いヒバ材から作られた麺切り板は、含有する天然成分(ヒノキチオール)により抗菌性が高いことが特徴です。長く衛生的に使えると好評です。ストッパーが付いたタイプは麺切り板がすべることなく便利です。
駒板(小間板)
延した蕎麦生地を素早く均一に切るための補助板で、駒板や小間板と呼ばれています。「枕木・立ち上がり」と呼ばれる硬質な角材が取り付けられた辺で包丁の刃を支え、麺を細く美しく切り出すためのそば打ち道具です。板本体には耐久・抗菌に非常に優れたヒバ材とヒノキ材を採用しました。長く衛生的にお使いいただけます。
折りたたみ脚(のし板用)
のし板を置いて使う専用の折りたたみ脚です。体重をかけても安定して使える設計で、高さを調節できるタイプもございます。折りたたんで収納できるので保管も場所をとりません。のし板を置く台をご用意できない場合にお使いください。
生舟(なまふね)― そばの保管用木箱
打ちあがった蕎麦を良好な状態で保管するための木箱です。程よい湿度で蕎麦を保存できますので、打ちあがった麺の管理がとても楽です。積み重ねて使う場合は蓋なしタイプもご利用ください。家具職人の繊細な技で、本体はどこから見ても小口が見えない設計です。木目の美しさが自慢の生舟です。
麺棒置き
そば打ちや保管の際にそば棒を安置するための麺棒置きです。お使いの麺棒の本数により、3本用か4本用かをお選びください。オリジナルのし板に取り付けて使う麺棒置きも別途販売しています。保管前に麺棒のお手入れをしていただきますと、末永く良好な状態をキープしていただけます。
そば打ち名人による蕎麦打ち実演
蕎麦打ち名人 仁井谷芳明 / にいたによしあき
広島県尾道市在住
■そば打ち歴
H20年〜H26年 第14回から第19回 全日本素人そば打ち名人大会 本選出場
H21年06月 豊平流段位 四段位 取得
H22年11月 全麺協段位 四段位 取得
H23年11月 第15代 関西素人そば打ち名人位 取得
H24年11月 第17回 全日本素人そば打ち名人大会 優秀賞受賞
H25年10月 第1回 中山重成記念越前そば道場杯誠匠大会 初代 誠匠 受賞
■そば打ち活動歴
・三原蕎麦の会 講師
・福山 JFE そば会 講師
・呉 そばの会 講師
・その他各種イベント(松本そば祭り・出雲そば祭り・日光そば祭り・日本そば博覧会など)参加
そば打ち実演 〜 そば打ちの工程と道具について 〜
蕎麦の打ち方には「木鉢(こね)」「延し(のし)」「包丁」という3つの工程があります。「包丁三日、延し三月、木鉢三年」の格言があるように、そば打ちでは木鉢が最も難しく重要な工程といわれています。そばの仕上がりのほとんどは木鉢で決まるといっても過言ではありません。経験を重ねつつ、自分に合った使いやすいそば打ち道具を見つけることも上達のコツです。
そば打ちの工程
1.木鉢(こね)――「水回し」「くくり」「練り」「菊もみ」「へそ出し」
2.延し(のし)――「地延し」「丸出し」「角出し」「本延し」
3.包丁 ――「たたみ」「切り」
木鉢(こね)
木鉢には、「水回し」「くくり」「練り」「菊もみ」「へそ出し」の手順があり、この中でも特にそば粉に水を含ませる水回しが一番重要です。そば粉の粒子ひとつひとつに水を浸みわたらせる感覚で、手早く軽やかに混ぜていきます。
水回し
水回しの前にそば粉・小麦粉を篩(ふるい)にかけておきます。 こね鉢の中でそば粉と小麦粉をよく混ぜ合わせます。粉の量にもよりますが、径の大きなこね鉢なら篩がけの際に粉が外へ散らなくて楽ですね。
粉の上から水を回し入れ、すばやく混ぜ合わせます。まずは半量程度の加水で様子をみます。水回しでは手に力を入れず、粉を軽く扱うのがポイントです。指を立てるように手を広げて、粉に圧力をかけないように注意しながら混ぜ続けます。
粉の状態を見ながらこまめに加水を繰り返し、まんべんなく均等に水を浸透させます。ここで力を込めて粉をつぶしてしまうと、粒子のひとつひとつに水分が行きわたらなくなり、蕎麦の出来上がりを損なう原因となります。
次第に粉同士がくっつき小さな粒が形成されます。水回しは粉が底に向かって滑り落ちてくるような形状の鉢で行うと効率が良いでしょう。この作業は家庭にあるボウルでもできますので試してみてください。ある程度の深さと広さがあると手の動きを制限されないので、作業に専念できますね。
くくり、練り
粉同士がくっついた粒を1つの固まりにまとめていきます。体重をかけて固まりを押しつぶしてしっかりこねることで、徐々に粉の密度が高まっていきます。
このとき、ボウルや鉢が動いてしまうのが気になるかもしれません。そんなときは専用の鉢受けが用意されたこね鉢だと安定感が増しますので、力を込める一連の作業をしっかりと素早く行えるでしょう。
菊もみ
菊もみはくくりでまとめた粉の粒子の密度を高めて結着させる工程で、のどごしの良いコシのある蕎麦に仕上げるための大切な作業です。生地の固まりを菊もみすることで、生地の中に含まれる空気を丹念に押し出していきます。同時に余分な水分も浸みだすため、菊もみが概ね完了するころには生地全体につやが出てきます。
菊もみ(菊練り)は陶芸などでも用いられる練りの技法で、生地の表面にひだ状の模様が出来上がるのが特徴です。ボウルや鉢が動くと作業が難しくなるので、その場合はすべり止めシートを底へ敷くとよいでしょう。専用の鉢受けがある重厚なつくりのこね鉢を使えば安定性が増してやりやすいですね。
へそ出し
へそ出しは菊の部分を閉じ、空気を抜くことが目的で、菊もみをした玉を両手で包み込むように転がしながら円錐状をつくります。 円錐状の先端部をゆっくり体重をかけてつぶし、手のひらで押しながら円盤状に整えます。 整えられたそば玉ができるので、これを延します。
ボウルや鉢を使うのはここまでです。そば打ちがすべて終わったら片付けましょう。本漆塗りのこね鉢はデリケートなので使用・保管に気を付けます。こね鉢は本漆塗りに劣らない美しさでありながら、日常管理が簡単なので初心者にもおすすめです。
延し
延しには、「地延し」「丸出し」「角出し」「本延し」の手順があり、こねあがった生地の玉を薄く延していく作業です。のしには比較的広いスペースが必要です。家庭では大きめのテーブルがよく使われますね。もし、準備の手間や衛生面が気になる場合は抗菌力の強いヒバやヒノキ材で作られたのし板が1枚あると便利で安心でしょう。
地延し
延し台(のし板)の上に打ち粉をふり、こねあがった玉を置きます。最初は手のひらで、ある程度の大きさまで押し広げていきます。玉の縁を手のひらで押して延し、最後に中央部をつぶして全体を均一な厚さに整えます。手で押し終えたら、今度は麺棒で押し広げていきます。
丸出し
玉の真上から麺棒の跡がつくように麺棒で押します。 生地の中央から端のほうへ向かって押していき、生地を少しずつ回してまんべんなく延しを繰り返します。 形よく円形に延すため両手に均等に力を込めて、手前から奥に麺棒を転がし延していきます。
このとき、生地の広さに合った長さの麺棒(のし棒)を使って効率よく作業を進めます。短いめん棒でも作業は可能ですが、より手数を必要とし、最終的に均一な厚みに仕上げる上でやや神経を遣います。逆に麺棒が長すぎると持て余し、麺棒のために広いスペースが必要になってしまいます。
角出し
円形になった生地を巻き取り、手前から奥に転がすことを何度か行うと中央が延されて徐々にひし形に近い形になります。 ひし形の辺の部分を軽く延して形を整えます。 巻き取り方向を変えて同じ作業を繰り返すことでひし形が正方形に近い形に仕上がります。
本延し
のし棒(延しに使うめん棒)で生地を縦方向に延していきます。 麺棒に対して平均的に力が加わるようにして手前を延します。細かく麺棒を動かし、少しずつ薄く均一な厚みにします。
生地は手前から奥へ向けて延します。手前にたぐり寄せた生地は、巻き棒(巻きに使うめん棒)を用意して巻き取っていくと作業がしやすいです。延し棒1本に対して巻き棒を1〜2本使うのが一般的ですね。まき棒には、のし棒より少しだけ長いめん棒が使われます。
奥まで生地を延し終えたら、延しむらをチェックします。均一な厚さの生地は均一な太さの麺に直結します。麺線が揃うことで茹で上がりが美しくなり、茹でむらを防いで食感が整います。手のひらを使って生地全体を入念にチェックしましょう。これで延しの工程は終了です。
めん棒の出番はここまでです。そば打ちがすべて終わったら片付けましょう。麺棒が汚れたら固く絞った濡れタオル等で拭き取ってから乾いたタオルで拭きます。クルミオイルを塗っておくと乾湿による”反り”から麺棒を守り、末永く愛用できます。生地が付きにくくすべりも良くなるのでおすすめです。
包丁
包丁の工程は、「たたみ」「切り」となります。麺帯と呼ばれる形に生地を畳んだものを同じ太さに切りそろえます。包丁は家庭にある菜切包丁でも大丈夫です。一方、麺切り専用に作られた麺切包丁は、包丁の重さを利用して麺を切っていきます。ある程度重さがある包丁を選ぶとよいですが、女性や腕の力が弱い方は重すぎない包丁を使ってください。
たたみ
まず、延し台(のし板)全体に打ち粉をしておきます。延し終えた生地は広げて、生地にも十分に打ち粉をふります。生地を折り返し重ね合わせていき、包丁の幅に合わせて折り込みます。この状態の生地を麺帯と呼びます。畳み終えた麺帯をまな板(麺切り板)に乗せて、切った麺同士が固まらないように生地の上に多めに打ち粉をふって切りに入ります。
切り
切りに使う板は家庭にあるまな板で大丈夫です。プラスチックよりも、包丁の刃が適度に吸い付く木製のまな板が使いやすいでしょう。木製まな板を長く使うと衛生面で気になるかもしれません。その場合は薬用成分(ヒノキチオール)をもつヒバ材のまな板がおすすめです。湿気や腐蝕に強い天然の抗菌まな板なら衛生的で長期使用にも耐えて安心ですね。
まな板が動いてしまって麺を切りにくい場合は、両面が使えるストッパー付きの麺切り板がおすすめです。テーブルやのし板の上でしっかりと固定できます。
麺帯の上に駒板(小間板)と呼ばれる麺切り用のガイドを乗せます。包丁をわずかに斜めに倒してこま板を送りながら均一の太さでリズミカルに切っていきます。そば粉の割合が多い生地ほど包丁の重さを利用してスムーズに麺を切っていけます。
駒板がなくても麺は切れます。まずはガイドなしで切ってみましょう。駒板(小間板)はより素早く正確に麺を切るためのそば打ち道具です。包丁に接する部分の角材には堅い木材が使われていて、包丁の刃に削がれにくくなっています。職人の技で作られた駒板なら、細かい麺切り作業もきっと楽しくなるでしょう。
切った麺は打ち粉をよくふるい落とし生舟と呼ばれる木の箱で保存します。
麺の保管容器としてタッパーはお手軽に使えます。特に少量ずつの保存では省スペースに管理できて便利です。ただ1点、結露が生じるとせっかく打ち上げた麺の質が落ちてしまいますので注意してください。気になる場合は適度に保湿して適度に吸湿してくれる木箱なら安心して麺を保存できます。
蕎麦が打ちあがりました。そばは乾燥が大敵ですから、それぞれの工程を手早く終えましょう。作業の精度とスピードを上げてくれるのは経験と道具です。そば打ちの技術をしっかりと学んで、自分に合った使いやすいそば打ち道具を探しながらおいしい蕎麦を打ち続けてください。
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